アシックス スーパーブラスト3レビュー:FF LEAPを搭載した最大クッションデイリートレーナーへの転身 👟
SUPERBLAST 3 — 進化か、それとも転換か
アシックスの看板プレートレストレーナーが3世代目で大きな方向転換。FF LEAPフォームを搭載しながらも、ブラストシリーズの中でポジションを「マックスクッション日常トレーナー」へと移した。
META SPEED PLUSの開発過程で、アシックスのテスターたちはプレートなし仕様のメタスピードを長距離ランで試験。その高い評価が、新シューズのコンセプトを生んだ。
プレートレスのマックスクッショントレーナーとして登場。FF TURBOフォームをトレーニングシーンへ持ち込んだ先駆的な一足。発売当初は同等の競合がほぼ存在しなかった。
よりトレーニング向けのアッパーや各所の改良により快適性が向上。ただしオリジナルが持っていた「鋭い反発感」はわずかに薄れたとの評価も。
FF LEAPフォームを採用し軽量化を達成しつつも、FF BLAST PLUSの比率が大幅に増加。ポジションをパフォーマンストレーナーからマックスクッション日常トレーナーへと移行。
| スペック | SUPERBLAST 2 | SUPERBLAST 3 |
|---|---|---|
| 重量(US9 / 27cm) | 249g | 239g (10g軽量化) |
| ヒールスタック高 | 45mm | 46.5mm (+1.5mm) |
| フォアフットスタック高 | 37mm | 38.5mm (+1.5mm) |
| ヒールトゥドロップ | 8mm | 8mm |
| ミッドソール(上層) | FF TURBO PLUS | FF LEAP(A-TPU) |
| ミッドソール(下層) | FF BLAST PLUS | FF BLAST PLUS(増量) |
| アウトソール | ASICSGRIP | ASICSGRIP + AHARLO |
| ライドプロファイル | エネルギッシュ | ソフト・ムーシー |
SUPERBLAST 3のミッドソールは2層構造だ。足に最も近い上層にはアシックスのレーシングシューズ(META SPEED RAY、META SPEED SKY TOKYO等)と同じFF LEAPフォームを採用。柔らかく、高いエネルギーリターンを持つA-TPU素材だ。問題は下層のFF BLAST PLUSにある。
META SPEEDシリーズと同じ素材。柔らかく、踏み込むと優れた反発を返す。着地時の第一印象は非常に快適で上品。
公称約10mm厚だが、実測では1.5〜4cm近くに達する部分も。FF LEAPが圧縮されると次にこの層が沈み込み、エネルギーリターンをほぼ打ち消す。
アッパーはSUPERBLAST 2から進化したエンジニアードウーブンメッシュを採用。前モデルよりも柔らかくストレッチ性が高く、足全体に自然に添う仕上がりだ。トゥボックスは幅が広がり、ボリュームも増量。ファストナーレース(コードループ式)の採用で、締め付けすぎずに安定したロックダウンが得られる。
SUPERBLAST 2と同サイズで試着を。トゥボックスが広くなったため、前作ユーザーはより快適なフィットを感じるはず。
スタック高が増えながらも10g軽くなった。239g(27cm)はこのサイズの靴としては依然として軽い部類に入る。
レビュアーによっては、約20kmの走行中に靴のバルクが大きすぎて反対側の足首に当たるケースが報告されている。これはSUPERBLASTシリーズ特有のシューズの大きさに起因するものとみられる。
アシックスはBLASTシリーズを明確に再編した。NOVABLASTを中心に、一方向にはマックスクッション側のSUPERBLASTが、もう一方向にはパフォーマンス側のMEGABLAST・SONICBLASTが配置される。この役割分担を理解することがシューズ選びの鍵だ。
| モデル | 主な特徴 | 強み | 弱点 |
|---|---|---|---|
| SUPERBLAST 3 | FF LEAP + FF BLAST+ プレートなし |
最高峰の安定性・クッション性・軽量性 | 高速域での反発感の欠如・ムーシー感 |
| MEGABLAST | FF TURBO Squared プレートなし |
高い反発性・スレッショルドまで対応 | SUPERBLAST 3より安定性で劣る |
| SUPERBLAST 2 | FF TURBO PLUS主体 プレートなし |
エネルギッシュなライド・マラソンペース対応 | SB3比で重く、クッションも低め |
| NIMBUS 28 | FF BLAST PLUS全層 PURE GEL搭載 |
イージーラン・リカバリーに最適 | パフォーマンス性は低い |
| Saucony Endorphin Azura | 高反発フォーム プレートなし |
汎用性が高く、イージー〜マラソンペース対応 | SB3の安定性には及ばない |
SUPERBLAST 3はブランドの意思決定を如実に反映した一足だ。パフォーマンス面の期待には応えないが、クッション性・安定性・快適性のトリプルを追い求めるランナーには誠実に作られたシューズといえる。「マックスクッション日常トレーナー」としての完成度は高い。ただし、SUPERBLASTシリーズのパフォーマンス志向なDNAを引き継いだシューズを求めるなら、MEGABLASTが正統後継者だ。
- マックスクッションで長距離をゆったり走りたいランナー
- 安定性を最優先とする中距離〜ロングランランナー
- NIMBUS等の従来クッションシューズからアップグレードを検討中の方
- 回復ランや有酸素ランに適した快適なシューズを探している方
- ASICS BLASTファミリーでマックスクッション寄りの一足を探している方
- マラソンペース〜スレッショルドでの高い応答性を求めるランナー
- SUPERBLAST 2の「エネルギッシュな踏み感」を期待している人
- 高強度練習・ドリル・インターバルでの使用を重視するランナー
- 「反発があるトレーナー」を求めるならMEGABLASTを推奨
「SUPERBLASTが『もう一つのマックスクッショントレーナー』になったことは残念だが、MEGABLASTが存在することで、かつてSUPERBLASTが担っていたパフォーマンスランナーの需要は確実に受け皿があると言える」
— 本レビューの評価まとめ
