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スーパートレーナー · 2026アシックス スーパーブラスト3 徹底解説|FF LEAP搭載で何が変わった?設計者が語る進化の全貌 👟⚡スーパートレーナー · 2026

スーパートレーナー · 2026
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アシックス スーパーブラスト3

FF LEAP搭載で生まれ変わった「板なしスーパーシューズ」の真価とは。アシックス上級製品ライン担当マネージャーとの対話から、その設計哲学と走行フィールを読み解く。

239g
重量(27cm)
46.5mm
ヒールスタック高
8mm
ドロップ
+15%
前作比エネルギーリターン
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© ASICS / ASICS EMEA Newsroom — 公式プレス素材
スーパーブラスト3:一目でわかるポイント
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ミッドソール
FF LEAP™ + FF BLAST™ PLUS

二層構造。上層にレーシングシューズ同等のFF LEAPを採用、下層10mmのFF BLAST PLUSで安定性を確保。

アウターソール
ASICSグリップ™ ラバー

前足部に粘着性の高いグリップラバーを継続採用。中足部のカバレッジを微調整し軽量化も実現。

アッパー
エンジニアードウーブンメッシュ

従来のウーブン素材を継続しつつ、コード式アイレットを採用。フォアフット空間の拡張とフィットの個別調整を両立。

スーパーブラストの進化
2022年
スーパーブラスト(初代)

「板なしスーパーシューズ」という新カテゴリを創出。FF BLAST TURBO™採用。アッパーの熱こもりや石が詰まる小穴など初期課題もあったが、市場の反応は想定を大きく上回った。重量:約242g。

2024年
スーパーブラスト2

FF TURBO PLUS™に刷新。アウターソールの改良で耐久性が向上。初代の支持者には「論理的な進化」と評された一方、インパクトのある変化を求める声も残った。スタック高:約45mm。

2026年3月
スーパーブラスト3

メタスピードレイと同等のFF LEAP™を上層に採用。スタック高は46.5mmに増加しながら10gの軽量化を達成。前作比15%超のエネルギーリターン向上を実現した、シリーズ最大の刷新。

最大の技術的進歩
+15.4%
スーパーブラスト2比のエネルギーリターン向上率。スタック高を1.5mm増やしながら同時に10gの軽量化も達成。「より高くより軽く」というパラドックスを、FF LEAP™フォームが解決した。
ミッドソール設計の詳細

アシックス グローバル パフォーマンスランニング 上級製品ライン担当マネージャーのポール・ラング氏が明かした設計の核心。スーパーブラスト3は単なるフォーム交換ではなく、フォームの「使い方」そのものを再設計している。

上層:FF LEAP™(主層)
軽量・高反発A-TPUフォーム

メタスピードシリーズのレーシングフォームと同素材。前作のFF TURBO PLUS比で33%高い反発性、13%の軽量化を実現。柔らかく沈み込んでから跳ね返る、独特の「シンクアンドリターン」フィールを生む。

下層:FF BLAST™ PLUS(10mm)
安定性・耐久性の基盤

底面10mmをFF BLAST PLUSで固定。内側(メディアル側)では三角形状に立ち上げ、アーチサポートを強化。FF LEAPの過度な変形を制御し、高スタックながら安定した踏み込みを保証する。

トランポリンポッドの再設計

スーパーブラスト2では平坦だった前足部に、今作では前作よりも面積が大きく突出したダイヤモンド形状のバウンスポッドを搭載。接地時にポッドが地面と接触してしなり、离地時に跳ね返る「ピストン効果」が、前足部エネルギーリターンを15%以上押し上げた。

前足部エネルギーリターン向上率(V2比) +15.4%
アシックス スポーツ科学研究所(ISS)計測値
重量削減(V2比) −10g
アウターソール設計変更・新フォーム・アッパー改良の複合効果
スタック高増加(ヒール) +1.5mm
45mm(V2)→ 46.5mm(V3) / ドロップは8mmで変わらず
設計の哲学:スーパーブラストの本質はスタック高でも重量でもなく「プロテクションと速さの両立」にある。ラング氏は「前作から構造(ラスト、ジオメトリ)は継承しつつ、フォームと前足部設計を大胆に刷新した」と語る。
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公式プロダクトショット
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公式プロダクトショット
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公式プロダクトショット
© ASICS / ASICS EMEA Newsroom — 公式プレス素材
アッパーとフィット感

ウーブンメッシュ素材は前作から継続採用だが、細部の設計は刷新されている。最も注目すべき変更はひも穴システムの改良だ。上部の3穴は従来通りのパンチホール式を維持しながら、下部のアイレットをコード(紐)式に切り替えた。これにより足が疲れで膨らんでくるロングランでも、ひもの締め付け感を細かく調整できる。

実走テストではフォアフット空間の拡張が顕著に感じられた。前作では若干低めだったシューズ内部の容積が改善され、21マイル(約33.8km)のロングランでもブリスターが発生しなかったとの報告も上がっている。アッパーのウーブン素材は一段と柔らかくなり、長距離走における快適性が向上した。

アッパー改良点
  • コード式アイレットでフィット個別調整可能
  • フォアフット空間が前作比で拡張
  • メッシュが一段と柔らかく通気性も向上
  • ガセットタン継続採用で足首のロックダウン確保
  • リサイクルポリエステル採用でサステナビリティにも配慮
デザインコンセプト

ランチカラーウェイの鮮やかなグラフィックは「テンポラルフォールド(時空折り畳み)」をテーマに設計。光速を超えて空間を移動する、という思想を視覚的に表現したもので、エリートアスリートユニフォームのコバルトブルーと統一されたコレクション展開となる。

スペック比較:V2 vs V3
スペック スーパーブラスト2 スーパーブラスト3
重量(27cm) 約249g 239g ▼10g
ヒールスタック高 45mm 46.5mm ▲1.5mm
フォアフットスタック高 37mm 38.5mm
ドロップ 8mm 8mm (変更なし)
ミッドソール上層 FF TURBO PLUS™ FF LEAP™ 刷新
ミッドソール下層 FF BLAST PLUS™ FF BLAST PLUS™ (継続)
エネルギーリターン(前足部) 基準値 +15.4% 向上
カーボンプレート なし なし (設計思想継続)
重量(27cm)
V3239g
V2約249g
ヒールスタック高
V346.5mm
V245mm
ドロップ
V38mm
V28mm
ミッドソール上層
V3FF LEAP™
V2FF TURBO PLUS™
前足部エネルギーリターン
V3+15.4%
V2基準
ブラストファミリーの位置付け

ノバブラスト・ソニックブラスト・スーパーブラスト・メガブラストの4モデルで構成される「ブラストシリーズ」。各モデルは独立した使用目的を持ち、スーパーブラスト3の登場で最終的な差別化が完成した。

ノバブラスト
日常トレーニングの万能シューズ。FF BLAST MAXによる柔らかなクッションと、どのペースでも安定した走行感。ブラストシリーズの入口的存在。
ソニックブラスト
ノバと同じ下層に、PEBAプレートとFF TURBO²の上層を組み合わせたプレート入りモデル。テンポ走や閾値トレーニング向けにスナッピーな反応性を実現。
スーパーブラスト3 ← 本記事
板なし。スイスアーミーナイフ的万能性。ゆっくりジョグから、マラソンペースのロングラン、テンポ走まで対応。プロテクションと反発の両立。
メガブラスト
単層FF TURBO²の「プレミアムバウンス体験」。スーパーより軽量でエネルギーリターンも高いが、スロー走では少し不安定。ペースが上がるほど真価を発揮。
バウンス量の序列:ノバ < ソニック < スーパー < メガ。モデルが上がるにつれてバウンスが増加し、同時に推奨ペースも上がる傾向にある。
長所と短所
評価できる点
スタック高アップと軽量化を同時達成。46.5mmの極厚クッションが239gという重量で実現。
前足部エネルギーリターンが前作比15%超向上。特に前足部のトランポリンポッドが顕著な改善。
スロージョグからマラソンペースまで幅広く対応。「スイスアーミーナイフ」的な汎用性が継続。
フォアフット空間が拡張され、前作で窮屈さを感じていたランナーにも対応。
メディアル側のFF BLAST PLUSが立ち上がり構造で安定性を確保。高スタックでもぐらつきを抑制。
注意すべき点
FF LEAP由来の柔らかさが、ニュートラル以外(オーバープロネーション傾向のある足)には横方向の不安定感につながる可能性。
初期数十kmで靴底が馴染むまで、前足部の硬さを感じるランナーもいる。FF LEAPの真価は使い込んで初めて発揮される面もある。
ラテラル方向のソールフレアが大きく、一部ランナーから過剰との声も。高スタックゆえのトレードオフ。
メガブラストよりエネルギーリターンと軽量性は劣る。純粋なスピードを求めるなら上位モデルを検討すべき。
総合評価

スーパーブラスト3は、メガブラストの登場で揺らいだシリーズの存在意義を明確に再定義した。FF LEAP™という最新フォームを手にすることで、「板なしでありながらプロテクションと反発を両立する万能シューズ」というポジションをより鮮明にした。スロージョグからマラソンペースまで、ほぼすべての練習シーンに対応できる汎用性は、これほどのスタック高を持つシューズとしては際立っている。メガブラストが「極上のバウンスを楽しむ体験」であるとすれば、スーパーブラスト3は「長い距離を、どんなペースでも走り続けられる信頼感」を提供するシューズだ。

✓ こんなランナーに最適
  • ジョグからテンポ走まで1足でこなしたい
  • ロングランでの脚へのダメージを最小化したい
  • 板なしシューズで反発性と保護性の両方を求める
  • マラソンのレースシューズとしても検討している
  • 前作が好きで、さらなる進化を求めている
✗ 別のシューズを検討すべき人
  • オーバープロネーション傾向があり横方向の安定性が必要
  • 最大限の反発性・軽量性を優先する(→メガブラストを検討)
  • 高スタックシューズ特有の不安定感が苦手
  • 回復走に特化した柔らかいクッションシューズを求めている

「玄関の前に置いてあると、気づいたらいつも手が伸びている。履くのが少し楽しみになる。そういうシューズが、本当に良いシューズだと思う」— ポール・ラング(アシックス 上級製品ライン担当マネージャー)

画像出典:本ページの製品画像はASICSの公式プレスリリース素材を使用しています(ASICS EMEA Newsroom / TheNewsMarket経由)。画像の著作権はASICSに帰属します。本記事はASICSとは独立したレビュー記事であり、ブランドとは関係ありません。
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