レビュー

アディダス ハイパーブースト エッジ 初回走行レビュー|エネルギーリターン73.6%の新感覚スーパートレーナーは本物か? 👟🔥

スーパートレーナー · 2026
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ブーストが進化した日
ハイパーブースト エッジ

アディダス初のノンプレート・マックスクッション スーパートレーナー。新素材ハイパーブースト プロ フォームが生み出す弾性と軽さは、果たして期待に応えるのか。

255g
重量(27cm)
45mm
ヒールスタック
6mm
ドロップ
73.6%
エネルギーリターン率
ケルン大学検証データ
73.6%
ハイパーブースト エッジのエネルギーリターン率。RunRepeatの実験室計測(ASTM F1976準拠)で、ほぼすべての競合スーパートレーナーを上回り、あのアシックス メガブラストをも超えた数値。
スペック詳細
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項目 スペック 備考
ミッドソール HYPERBOOST PRO FOAM PEBA系ビーズ発泡素材・ノンプレート
ヒールスタック 45mm マックスクッション水準
フォアフットスタック 39mm 前足部まで深い沈み込み
ドロップ 6mm 万人向けの自然な傾斜
重量(27cm) 255g 厚底として十分な軽さ
アッパー PRIMEWEAVE(プライムウィーブ) TPU補強・ヒールポッド統合
アウトソール LIGHTTRAXION(フルレングス) 厚さ2mm・全面ラバーカバレッジ
カーボンプレート なし デュアル密度フォームも非採用
ミッドソール
HYPERBOOST PROPEBA系ビーズ発泡
スタック
ヒール45mm
前足部39mm
ドロップ / 重量
ドロップ6mm
重量255g
アッパー
PRIMEWEAVEプライムウィーブ
アウトソール
LIGHTTRAXIONフルレングス・2mm厚
ハイパーブースト プロ フォームの正体

2013年にアディダスが世界を驚かせたオリジナルBoostフォームは、TPEE(熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー)系のビーズ状素材だった。それが革命的だった一方で、年月とともに「重く、反応が鈍い」という評価に落ち着いてしまった。ハイパーブースト プロは、その反省をもとに全く異なる化学組成から生まれている。

従来のBoost

TPEE系発泡ビーズ。登場当初は軽くて弾むと評価されたが、ライトストライクProなどの後継素材と比べると重量増と反発性の低下が課題に。

ハイパーブースト Pro

PEBA(ポリエーテルブロックアミド)系のビーズ発泡素材。ライトストライクProと同系の化学組成で、エネルギーリターンがTPEE比で22%向上。ランニングウェアハウスの計測では米国サイズ9で255g。

ライトストライクProがTPEE(アディダス呼称)系だったのに対し、ハイパーブースト ProはPEBA系に転換した点が最大の革新。アディゼロ シリーズで培った素材知見を、デイリートレーニング向けに最適化して実用化したものがこのシューズの核心である。

初回走行インプレッション
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イージーペースから始め徐々に上げていく、約45分・12kmのランニング。テスター(英国Run Testersのニック)が実際に体感した走りのリポートをまとめた。

フォームの反発性極めて高い
「まるで弓の弦のような張りと弾き返し」
ライド感の滑らかさ(ジオメトリー)良好
ヒールからの移行がスムーズ。「ボートのような感覚」は出なかった
安定性十分
カーブで若干不安定な場面もあったが、大きな問題なし
アッパーの快適性要改善
ヒールカラーが硬く、長距離走行での擦れが懸念
良い点と課題
良い点
エネルギーリターンが飛び抜けて高く、あらゆるペースで弾みを感じる
45mmスタックながら255gという軽量性。ロングランでの脚へのダメージ軽減に期待
ヒールからの移行がスムーズで、大型シューズ特有の「ボート感」がない
フルレングスのライトトラクション アウトソールで耐久性とグリップに優れる
ミッドソールにスリーストライプスを配した大胆なデザイン。見た目でも差別化
課題点
ヒールカラーが硬く、カンバー(路面の傾き)に当たると肌への摩擦が発生しやすい
プライムウィーブ アッパーのオーバーレイが多く、若干の重さと硬さを感じる
先端の絞り込み形状(テーパードトゥボックス)により、幅広の足には窮屈な場合あり
優れたミッドソールに比べ、アッパーの完成度がやや不釣り合いに感じられる
競合スーパートレーナーとの比較
モデル 重量 スタック(ヒール) 主な特徴
アディダス ハイパーブースト エッジ 255g 45mm PEBA系・ノンプレート・全面ラバー
アシックス メガブラスト 約230g 46mm FF TURBO SQUARED・高い応答性
アシックス スーパーブラスト 2 約250g 45mm FF TURBO PLUS・安定性重視
キプラン(デカトロン) コストパフォーマンスの基準となるモデル
アディダス アディゼロ EVO SL 低め 軽量・スピード寄り・低スタック
アシックス メガブラスト
強み 最軽量クラス(約230g)・高い応答性・幅広い速度域に対応
弱点 国内では入手困難な場合あり(東京コレクション限定)
アシックス スーパーブラスト 2
強み 安定性と万能性のバランス・幅広い市場で入手しやすい
弱点 メガブラストより反発性・最高速域で一歩劣る
キプラン(デカトロン)スーパートレーナー
強み 圧倒的なコストパフォーマンス。同カテゴリーの基準値を設定
弱点 国内実店舗が限られる(幕張のみ)
フィット感とサイズ感

アディダスのレーシングシューズは先端が窮屈になりがちで、ハーフサイズアップが必要な場合が多い。ところがハイパーブースト エッジは通常サイズで問題なく、つま先に適度なゆとりがあった。長さについては通常のランニングシューズサイズで購入してよい。

長さ:通常サイズでOK

アディダスのスピード系シューズとは異なり、ハイパーブースト エッジではハーフサイズアップは不要。つま先のスペースは十分に確保されている。

ヒールカラー:硬めで擦れに注意

ヒール周辺のカラーがかなり硬く、路面が傾いた場面で足首外側に当たりやすい。短時間走行なら問題なくても、長距離では靴下の厚さや走り方によって摩擦が生じる可能性がある。

トゥボックス:テーパード形状に注意

RunRepeatの計測では71.4mmというレース志向の絞り込み形状。幅広の足のランナーには圧迫感を感じる場合があり、試し履きを推奨する。

今後の使用感変化に期待

テスターは「使い込むうちにアッパーが柔らかくなる可能性がある」と指摘。革新的なミッドソールを活かすには、アッパーへの慣れが必要かもしれない。

初回走行:総合評価

ミッドソールの出来については、過去1年間にテストしたシューズの中でも特に印象的な部類に入る、というのがテスターの率直な評価だ。「弓の弦を弾いたような」弾力感は、最初の1kmからすでに明確に感じられた。大型シューズに起きがちな鈍重さはなく、上り坂でも脚の力を使わず前に進む感覚があった。アッパーの仕上がりへの疑問は残るが、それを補って余りあるミッドソールの存在感が際立つシューズである。

✓ こんなランナーに最適
  • イージーランからロングランまで、1足で対応したい
  • ノンプレートのマックスクッションを求めている
  • エネルギーリターンの高さをデイリートレーニングで体感したい
  • スーパーブラスト系の履き心地を気に入っているが、さらに上を求めている
✗ 別の選択肢を検討すべきランナー
  • 幅広の足でフィット感を最優先にしたい
  • アッパーの刺激に敏感、または足首周りにトラブルを抱えている
  • コストパフォーマンスを最重視し、格安スーパートレーナーで十分と感じている
  • トラックやスピードセッション専用のシューズを探している
注: 本レポートは初回走行(約45分・12km)に基づく第一印象であり、ロングランや高強度セッションを経た総合評価は後日のフルレビューで公開予定。
動画ソース Run Testers(YouTube) スペック出典 RunRepeat実験室計測

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