レビュー

ミズノ ネオゼン 2 徹底レビュー|安定性は上がったが弾みを失った?本音評価 👟💧

デイリートレーナー · 2026
running shoe

ミズノ ネオゼン 2
徹底レビュー

安定性強化と引き換えに、初代の軽快な弾みが後退。実走85kmのテストで見えたデイリートレーナーの現実とは。

241g
重量(27cm)
40mm
ヒールスタック
6mm
ドロップ
85km
総テスト距離
ミズノ Neoシリーズの進化
sneaker

ネオゼン 2 を正しく評価するには、このシリーズがたどってきた足跡を知ることが不可欠だ。各世代で異なる哲学が選択されてきた経緯がある。

2024年
ネオビスタ(初代)— 衝撃のデビュー

弾みと楽しさを前面に打ち出し、市場に衝撃を与えたNeoシリーズの原点。クッションと反発の絶妙なバランスで、デイリーからテンポ走まで幅広くこなした。やや不安定さが残る点が課題として指摘された。

2025年 春
ネオゼン(初代)— 超臨界発泡TPUの衝撃

超臨界発泡TPU(ENERZY NXT)を核に、独特の跳ね感と高いエネルギーリターンを実現。The Run Testersを含む多数のレビュアーが絶賛。ただし大幅な不安定感とアッパーのホールド不足が弱点として挙げられた。

2025年 秋
ネオビスタ 2 — プレートで安定化

初代ビスタのプラットフォームを継承しながらもナイロンプレートを追加し、安定性と推進力を向上。弾みは初代ほどではないが「より速く・安定して走れる1足」として進化した。

2026年
ネオゼン 2(現行)— 安定性優先への転換

超臨界発泡TPUから窒素注入EVAフォームへ素材を変更し、デュアルレイヤー構造でぐらつきを大幅抑制。ブーティ式アッパーも刷新。安定性と快適性は向上した一方、初代の個性的な跳ね感はほぼ消滅した。

ミッドソール変革の真相:素材が変わると何が変わるのか

ネオゼン 2 最大のアップデートはミッドソール素材の変更だ。どちらも「ENERZY NXT」の名を冠するが、フォームの物理的性質は根本的に異なる。この変更がライド感に与えた影響は、ラボデータでも明確に示されている。

ネオゼン 初代(2025年)

超臨界発泡TPU(A-TPU)を採用。超高圧・超高温の環境下でTPUを発泡させた素材で、密度が均一かつ軽量。独特の跳ね感と優れたエネルギーリターンが特徴で、初代の「弾む走り」を支えた根幹テクノロジー。RunRepeatのラボ計測ではエネルギーリターン71.7%を記録。

エネルギーリターン:71.7%
ネオゼン 2(2026年)

窒素注入EVAフォームを採用したデュアルレイヤー構造。上層の窒素注入EVAが柔軟なクッションを担い、下層のEVAベースが安定性を提供する。弾力性はTPUに劣るが、均質な踏み込み感と安定したロールが特徴。同ラボ計測でのエネルギーリターンは47.4%と大幅に低下。

エネルギーリターン:47.4%
mizuno-neo-zen-2-product-official-2026
© RunRepeat — 公式プロダクトショット
スペック詳細:初代との比較
スペック ネオゼン 2(2026) ネオゼン 初代(2025)
重量(27cm / US9) 241g(8.5oz) 約238g(8.4oz)
ヒールスタック 40mm 39mm
フォアフットスタック 34mm 33mm
ドロップ 6mm 6mm
ミッドソール素材 窒素注入EVA(デュアルレイヤー) 超臨界発泡TPU
エネルギーリターン(ラボ計測) 47.4% 71.7%
アッパー エンジニアードメッシュ + ニットブレンド ニット素材(伸縮性高め)
アッパー構造名 Bootie Knit Fusion ブーティ式ニット
アウトソール X10カーボンラバー(部分配置・新設計) X10カーボンラバー
テクノロジー スムーズスピードアシスト(SSA) スムーズスピードアシスト(SSA)
インソール 着脱式プレミアムインソール 標準インソール
重量(27cm)
ネオゼン 2 241g
初代 約238g
ヒールスタック
ネオゼン 2 40mm
初代 39mm
エネルギーリターン
ネオゼン 2 47.4%
初代 71.7%
ミッドソール素材
ネオゼン 2 窒素注入EVA
初代 超臨界TPU
ドロップ
ネオゼン 2 6mm
初代 6mm
⚠ 計測出典:エネルギーリターン数値はRunRepeatの独立ラボによる計測値(2026年)。同じ「ENERZY NXT」の名称を冠しながら、素材が根本的に異なることを示している。
ラボ計測で判明したエネルギーリターンの低下
71.7% → 47.4%
初代の超臨界発泡TPUから第2世代の窒素注入EVAへの素材変更により、エネルギーリターンが約24ポイント低下したことがRunRepeatの独立ラボ計測で確認された。クッション性はほぼ同等を維持しているにもかかわらず、「蹴り出しの弾み」だけが大幅に失われている。この数値が、複数のテスターが感じた「もっさり感」の正体だ。
ペース別走行インプレッション

複数のテスターが計85kmを走り込み、ペース帯ごとのパフォーマンスを評価した。イージーペースでの快適性は確かだが、ペースが上がるほど課題が顕著になる。

クッション性 87%
ヒール143 SA / フォアフット132 SA(ラボ計測)。長距離・体重の重いランナーにも対応
反発性・エネルギーリターン 47%
EVA素材への変更で大幅低下。初代(71.7%)と比べて約24ポイントのダウン
安定性 78%
初代比で大幅改善。デュアルレイヤー構造がぐらつきを効果的に抑制
軽量性 84%
40mmスタックを持つシューズとして241gは優秀。足を重く感じさせない
汎用性(ペース対応幅) 55%
イージーペース特化。テンポ走以上ではエネルギー感の不足が顕著になる
グリップ・トラクション 64%
X10ラバーの耐久性は高く初代比改善。ただしグリップパターンが滑らかすぎる
走行感の詳細(ペース帯別)
🏃 イージーペース(キロ5分30秒以上)
クッションが衝撃を確実に吸収する。SSAロッカーが自然な前方推進をサポートし、長距離でも疲労を抑える。ブーティ式アッパーの包み込むフィット感と相まって、「履き心地のよいデイリーシューズ」としての完成度は高い。
⚡ ミドル〜テンポペース(キロ4〜5分)
フォームの粘り感・もっさり感が顕著になる。ランナーによって「掘る感覚」と表現されることも。キプランストームテンポ(デカトロン)から履き替えた際、同じペースを維持するための体感負荷が大幅に増したとの報告あり。
フィット感・サイズ選びのガイド

複数のテスターから一致した見解が得られた。ポイントを押さえて選べばサイズ失敗は少ない。

1
サイズ感:普段通りでOK

全テスターが「普段のランニングシューズと同サイズ(Mizunoを含む)」でちょうどよいと評価。最初は窮屈に感じることがあっても、動き始めるとアッパーが馴染む。ハーフアップは不要。

2
横幅:やや細め設計

ミッドフット部分のワイズが平均より細め。RunRepeatのラボ計測では幅92.2mm(細め)と確認されている。幅広の足を持つランナーには圧迫感が出る可能性があるため注意。標準〜細身の足幅に最適。

3
つま先:十分なゆとり

前足部には親指幅程度のゆとりが確保されており、長距離ランでも爪への圧迫感なし。足長方向のクリアランスは十分で、幅広ではなく足長の大きいランナーも安心して選べる。

4
ヒールホールド:優秀

Bootie Knit Fusionと刷新されたヒールカラー(厚みを増した内部パッディング)により、かかとのぐらつきを大幅に抑制。初代の「かかとが暴れる」問題は解消された。ひも結びが甘いとタン部のずれが起きやすいため、きちんとした締め付けが重要。

良い点・気になる点
良い点
40mmスタックで241gという軽量性。同クラスの厚底シューズの中でも最軽量水準を維持。
イージーペースでの優れたクッション性。ヒール衝撃吸収143 SAという高スコアで、長距離・体重の重いランナーにも安心。
初代比で大幅向上した安定性。デュアルレイヤーミッドソールとラテラルバイアス設計がぐらつきを確実に抑制。
Bootie Knit Fusionの快適なフィット。足を包み込む感覚と優れたヒールホールドを両立。初代のアッパー問題を解消。
スタイリッシュな外観。テスト中に他のランナーから称賛を受けるなど、日常使いでも映えるデザイン。
X10アウトソールの改善された耐久性とグリップ。新設計のレイアウトで初代比グリップスコアが大幅向上(0.38 → 0.55)。
気になる点
エネルギーリターンの大幅低下(71.7% → 47.4%)。初代の最大の魅力だった「跳ね感」がほぼ消え、ペースアップ時の楽しさが失われた。
ミドルペース以上での粘り感。フォームが「もっさりと」エネルギーを吸収してしまい、返ってこない感覚。体感負荷が上がりやすい。
汎用性の低さ。テンポ走・インターバル・レースペース走には不向きで、用途がイージーラン・回復走に限定される。
幅広の足には不向き。ミッドフット幅92.2mm(細め)と計測されており、ワイドフィットを必要とするランナーには圧迫感あり。
アンクル部のスティフネス。ドクターズ・オブ・ランニング等が指摘。前足首周辺の素材の硬さが、一部のランナーで不快感を生じさせる可能性。
競合の充実した市場での存在感。同価格帯により汎用性が高いシューズが多数存在し、「あえてこれを選ぶ理由」が見つけにくい。
競合シューズとの比較

テスターが実名で言及した競合シューズを整理。ネオゼン 2 と何が違うのかを明確にした。

シューズ フォーム 反発性 汎用性 特徴・優位点
ミズノ ネオゼン 2 窒素注入EVA(2層) ★★★☆☆ ★★★☆☆ 安定・軽量・快適フィット。デイリー特化
ミズノ ネオゼン 初代 超臨界発泡TPU ★★★★★ ★★★★☆ 唯一無二の跳ね感。やや不安定
NB フューエルセル リベル V5 FuelCell PEBA ★★★★☆ ★★★★☆ デイリー〜テンポ走まで対応する高い汎用性
サッカニー エンドルフィン アズーラ PWRRUN ★★★★☆ ★★★★☆ レスポンシブで軽快。幅広いペースに対応
アディダス アディゼロ エボSL Lightstrike Pro ★★★★☆ ★★★★☆ スピード寄り。軽快で楽しいデイリートレーニング
ホカ クリフトン 10 CMEVA ★★★☆☆ ★★★☆☆ マキシマルクッション特化の安定走向け1足
アシックス ノヴァブラスト 5 FF BLAST MAX ★★★★☆ ★★★☆☆ 強い弾みとマキシマルクッションの両立
プーマ ベロシティ ニトロ 4 NITRO ★★★★☆ ★★★★☆ より活発なフォームで汎用性高く、競争力のある設定
NB フューエルセル リベル V5
強み 高反発FuelCell・デイリー〜テンポ走まで汎用
弱点 クッション量はやや少なめ
サッカニー エンドルフィン アズーラ
強み 高汎用性・軽快でレスポンシブな走り心地
弱点 クッション総量はやや少なめ
アディダス アディゼロ エボSL
強み 軽量・スピード感・楽しいデイリートレーニング
弱点 スピード寄りでゆっくり走るには過剰な面も
アシックス ノヴァブラスト 5
強み 強い弾み・マキシマルクッション
弱点 ネオゼン 2 より汎用性はやや劣る
プーマ ベロシティ ニトロ 4
強み 活発なNITROフォーム・高い汎用性
弱点 ブランド認知面でMizunoほどではない
総合評価

ネオゼン 2 は「進化したが、個性を失った」シューズだ。安定性という初代の明確な課題を解決しながら、多くのランナーを惹きつけた跳ね感とエネルギーを手放してしまった。実用的な堅牢さは確かにあるが、今日の競争の激しいデイリートレーナー市場で勝負するには、「これを選ぶ必然性」が薄い。

✓ こんな人に最適
  • イージーペース・回復走が中心のランナー
  • 安定性を最優先する実用派のデイリートレーニング
  • 柔らかな踏み心地と確実な衝撃吸収を重視する方
  • 初代のアッパー問題に悩んでいたネオゼンファン
  • 細身の足幅を持ち、ブーティ式フィットを好むランナー
✗ 別のシューズを検討すべき人
  • テンポ走・インターバルも1足でこなしたい
  • エネルギーリターンと走りの楽しさを重視する
  • 幅広(ワイド)の足を持つランナー
  • 初代ネオゼンの弾む感覚を期待して購入を検討している方
  • 現行市場でもっともコストパフォーマンスの高い1足を探している
📝 編集部の結論:日常の積み重ねに「信頼できる安定感」が欲しいという明確なニーズには応えられる1足。しかし現在の競合環境では、同等以上の快適性にプラスαの活発さが加わったシューズ(リベル V5、アズーラ、エボSL)が多数存在する。より汎用性の高い1足として、ミズノ ネオビスタ 2(プレート付き)も選択肢に入れて比較検討することを推奨する。
画像出典:本ページの製品画像はRunRepeatのテスト用プロダクト素材を使用しています。著作権はRunRepeatに帰属します。本記事はミズノ株式会社とは独立したレビュー記事であり、ブランドとは関係ありません。
スペック出典:重量・スタック高はDoctors of Running(2026年)より。エネルギーリターン数値はRunRepeat独立ラボ計測値(2026年)より。
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